株式会社BOTAO

あんちゃん、祖母の手巻き時計を直す

 :     : 2021.07.7

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エンジニアのあんちゃんです!

前回、下記の記事「あんちゃん、手巻き時計に興味を持つ」で、時計に興味を持ったきっかけをご紹介しました。

私が職探しで軽い気持ちでエントリーしたことから、腕時計の機械(ムーブ)の修理について興味を持ち始めたちょうどその時、田舎のばあちゃんから


ばあちゃん

あんた今時計直す仕事なんだってね?
したら、このばあちゃんの時計要らんからやるわ

と(言葉遣いが荒々しいですが、怒っているわけでも投げやりなわけでもなく、普通のテンションで言っています笑)、いくつか手巻き時計を貰いました。


いやーばあちゃん、私時計直してないよ!
時計直す人の補佐みたいな仕事だよ笑

と苦笑いしつつも貰った手巻き時計を見ると、全部で4つのうち、3つは比較的綺麗でちゃんと動いていたのですが、1つだけ状態の悪いものが…。


ばあちゃん

それ(一番状態の悪い時計)、ばあちゃんの叔父さんから貰ったやつで、ばあちゃんが20才のお祝いに貰ったんだけどさ、ガラスが取れて無くなっちゃったからもう使えないんだわ。
ずっとタンスの中にぶなげて(放置して)あったんだ。
要らなかったら投げちまいな(捨ててしまいな)ー。

(方言混じりで)言う通り、文字盤や針を守る為のガラス(風防)が丸っと取れ、文字盤は汚れ、針はグニャっと曲がって、針の表面の金メッキもガサガサに剥がれていました。

現在うちのばあちゃんは90歳代前半なので、70年を超えた時計でした。

これはガラスが既に入っていますが、もともとはこのゴールドの枠(ケース)だけがありました。

文字盤はほとんどこの状態のままで、針も今は真っ直ぐですが、元々は曲がっていて、時針と分針同士が触れ合ってしまって時計として動かない状態でした。


確かにガラスなくなったらどうしようもないか…
こんな変な形のガラスなんて特殊すぎてないだろうしな〜。。。

と、次に職場へ行った時に職人さん(時計の修理について教えてくれた師匠)にこの時計を見せると、


師匠

ん?ガラスなんて作成(業者に依頼)できるよ。多分そんなに高くない。
文字盤はホコリを取って、色塗り直したらヴィンテージさがなくなって良くないからそのまま。
針は自分(私自身が)で真っ直ぐに直して、メッキ掛けは業者に頼めるよ。
ムーブのオーバーホールは、教えてやるから自分でやりな!
俺はやらないよー笑
根気があるならその時計全然直るけど、どうする?

という、「無理そうだな〜」と思い込んでいた私に対して、師匠は余裕の表情でした。

ただ、師匠にとっては、超絶シロウトの私に教える方がよっぽど時間も労力もかかります。
ちょっと教えたくらいですぐにOHできるようには、絶対になりませんから…。
それなら私から修理費を貰って師匠自身が作業をした方がよっぽど早いはず。

師匠は、私が時計に興味を持ち始めていることに気がついてくれて、

本当は修理は自分でやりたい…

と内心で思っている私に「俺はやらないよー笑」という、
ライオンの親が子を崖から落として登らせる指導方法をとってくれたのだと思います。

そこからは、本当に長い時間、ムーブのオーバーホールが一通りできるようになるまで練習の日々。

右側の大きなムーブのオーバーホールから練習がスタートしましたが、

油がうまくさせず、何度も洗浄→注油→洗浄→注油…。

何度もパーツをピンセットで弾き飛ばし、床を這いずり回ってパーツを探す…。

歯車の真が穴にうまくはまらず、「真を折っちゃうかも…」という恐怖に苛まれながら、何度も歯車を付けたり外したり…。

キズミ(とても細かい作業なので、ムーブを拡大してみるように使用する道具)で集中して作業をするので、眼精疲労で目がおかしくなり…。

そして最後には、パーツをピンセットで折って破損…!!

こんな事を繰り返しながら、何とか大きな機械のOHは出来るようになってきました。
そしてその倍の時間をかけて、ばあちゃんの時計のオーバーホールもなんとか終わり。。

ただ、油をさす腕やテンプなどの調整など、そして作業を完了させるまでの時間も含め、プロでやっている職人さん達には足元にも及ばないと言えるでしょう。師匠からも、


師匠

油の量、goodの時もあるようにはなったんだけど…
まだまだ、まだま〜だだな!笑

という、「まだ技術レベルは全然。先は長い!」という判定をいただきました笑

そして、ガラスの手配や針の修理も完了し、ベルトも元々はゴールドの(ちょっとオバさんデザインっぽく感じる)ものでしたが、どんな服装でもラフにつけられるよう、ちょっとおしゃれで安いビーズパーツを選んで付け替え、

ついに完成!!

しかし、この時修では、オーバーホールをするための工具類は全て師匠に貸してもらい、作業スペースも師匠の大幅な時間も全て貸してもらいました(よく考えると、本当に迷惑な修理受付員だったと思います;_;
師匠には、本当に感謝しかないですね…!)

…これだと、定期的にオーバーホールするときに道具もないし、毎回師匠の助言はもらえんな…

こんな悩みを抱えた私は、次に師匠からこんな情報を入手!


師匠

時計の学校が渋谷にあるよ。
夜間とかもあったはず。どんな感じか調べてみれば?

そして調べてみて要検討した結果、私は働きながらこの学校に通うことに決めました!

学校での、社会人学生ライフについてはまた次回にするとして。

どんどん時計にハマっていく私ですが、崖から子を落とすライオンの親となった師匠が
とても丁寧に教えてくれたからこそ、(技術レベルはまだまだまだまだ…ですが)
私は「そうだ、学校へ行こう!」と思えるほど時計が好きになったのだと思います。

師匠には、本当に本当に感謝です!


この記事を書いた人

あんちゃん
フロントエンジニア / ディレクター
あんちゃん

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